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「誰だって、多かれ少なかれどうかしてるんだな」と、妙な親近感を覚えてしまいました。
そうそうたる名優の、夢のような共演作。
どの登場人物に共感しても、気分爽快になる映画です。
『世界にひとつのプレイブック』は
2012年に作られた、アメリカ映画です。
監督は、デヴィッド・O・ラッセル。
出演は、ブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス、ロバート・デ・ニーロ、ジャッキー・ウィーヴァー、クリス・タッカー、アヌパム・カーほか。
脚本も、デヴィッド・O・ラッセル。
音楽は、ダニー・エルフマン。
原題は『SILVER LININGS PLAYBOOK』。
パットは、ある問題を抱えていて、8ヶ月入院しています。
ある日のこと。母ドロレスが「裁判所に掛け合ったのよ」と、パットを迎えに来ました。
病院側の心配をよそに、退院手続きを済ませます。
早々にひと悶着ありますが・・・。
二人が乗る車は、NFLフィラデルフィア・イーグルスの本拠地前を通り、実家へと向かいます・・・。
序盤は、なかなかヘヴィです。
数年前になりますが、この映画を初めて観たときの事を、よく覚えています。
「ハートフル・コメディだから」と言われて、「あれ? そうだったかな?」と思いつつ、観てみましたら・・・。
とても笑い事じゃない、悲痛で、ヒステリックで、ひどく気が滅入る事態が、次から次へと起こります。
そのときは、見続けられませんでした。
今回ラストまで観て、それは痛恨の極みだったと、つくづく思います。
この序盤があるからこそ、心から共感できますし、思うさま爽快さを感じられるんですね。
ちょっぴり普通じゃない人たち
いく人もの名優の、ほれぼれするような熱演を、思う存分みられます。
パットを演じた、ブラッドリー・クーパーも素晴らしかったですし、どの登場人物も、まるで実在しているかのような、リアリティーがありました。
どうも長くなりそうなので、またの機会と致しますが・・・。
いちばん印象的だった彼女について、一言だけ。
ティファニーの存在
ジェニファー・ローレンスが演じたティファニーもまた、心に深い傷を負っていました。
自暴自棄になってるんだと、錯覚してしまいましたが、それは私の考え違いでした。
自分のことを、よく見せようとしたりしない、変に取り繕ったりしない彼女は、とても潔いのです。
ティファニーは、ありとあらゆる手を尽くして、パットをパートナーにして、ダンスコンテストに出場しようとします。
見返りが欲しかっただけ? かと、思われるかも知れません。
自分の好きなことをしたいだけ? と、思われるかも知れません。
「ダンスはセラピーなの」
彼女のしたことは、何のためで、誰のためだったのか。
種明かしもありますし、なんやかんやありまして・・・。
あのティファニーじゃなかったら、ラストの爽快感は、あんなに大きくなかったのでは?
そう思わずにはいられません。
原題の「SILVER LININGS」には、「希望の兆し」という意味もあります。
素敵な言葉だなぁ・・・。