本や出版社が登場する作品は、少なくありませんが、辞書がメインテーマの映画は、今まで観たことないんじゃないかと思います。
これまで謎に包まれていたといっても過言ではない、辞書へんさん。
つくっている人々の仕事っぷりは、思った以上にドラマチックでした。
松田龍平演じるマジメと編さん者たちの奮闘する姿に、引き込まれてしまいます。
「舟を編む」のあらすじ
玄武書房では、新しい辞書の出版計画が進行中です。
一方、辞書一筋のベテラン編集者荒木(小林薫)は、まもなく定年退職することに。
辞書監修の松本先生(加藤剛)は、荒木を引き留めたいのですが、社内で後任探しが始まります。
人選は難航。
荒木の部下西岡(オダギリジョー)は、他部署で変人と噂されてる馬締光也(松田龍平)の情報をキャッチしました。
馬締は、荒木の出したある言葉に関する、質問をクリア。
辞書編集部の一員となり、大渡海(だいとかい)の編さんに、携わることになります…。
大海原の彼方をめざすような「大渡海」の編さん
どうやって辞書をつくっているのか、今まであんまり考えたことはありませんでした。
普段何気なく使っている言葉ですが、奥が深くて、どんどん興味を引かれます。
言葉と意味が、カチッと合わさる場面では、難しいパズルが解けたような、爽快感があるんです。
反対に、全くうまくいかなくて、息も絶え絶え、苦しくなるようなシーンもありました。
海に例えるなら、まさしく荒海です。
たとえば「右、とは何ですか?」
確かに、左利きの人にとって、お箸を持つ方じゃないですね。
彼らの答えは、絶妙でした。
大渡海には、どんな言葉が載っているのか。
存在しないけど、読んでみたくなる。
そんな気持ちになる映画でした。
「舟を編む」の映画情報
公開 | 2013年、日本 |
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監督 | 石井裕也 |
出演 | 松田龍平 加藤剛 小林薫 オダギリジョー 伊佐山ひろ子 黒木華 池脇千鶴 宮崎あおい 渡辺美佐子 ほか |
音楽 | 渡邊崇 |
原作 | 三浦しをん「舟を編む」 |