【キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン】FBI捜査官VS詐欺師の父。真実を話さなかったのは、どちら?

トム・ハンクスクリストファー・ウォーケン
ふたりの共演シーンは見ごたえがあって、深読みしたくなるくらい、名場面だと思うんです。


キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン (字幕版)

なんで野菜を持ったまま?

名優ふたりの共演シーンは、あっという間に感じるくらい、ギュッと詰まってると言いますか。
ただならない緊張感があるんですけど……。

クリストファー・ウォーケンから、目が離せません。
彼は買い物から戻ってきたトコなんです。
いきなり聞き込みされたら、面食らっちゃうのも分かります。

素晴らしい表情で、名ゼリフを言う、肝心要の局面ですよね。
いろんな感情が押し寄せて、いっぱいいっぱいになる私。

なのに彼が手にしてるモノが、気になって気になって。
あれ、なんの野菜でしょう?
セロリ?

追う側と追われる側

トム・ハンクスが演じる、カール・ハンラティ
FBIで詐欺捜査の部署に所属しています。

新手の小切手詐欺師を追ってるけれど、なかなか犯人の尻尾をつかめません。

トロピカーナ モーテルで、ひどい目にあうハンラティ。
わずかな手がかりから、容疑者を特定しました。
その名はフランク・アバグネール

フランクの居所は?

詐欺犯の身元が判明しただけじゃダメなんですね。
今、どこにいるのか?
誰に成りすましてるのか?

フランクの母に聞き込みした時は、130万ドルだった被害額。
このまま天井知らずに上がりそうな勢いでした。

スラスラ答える父。

息子は身分証明書を偽造して、海兵隊に入隊。今はベトナムにいる」

買い物袋の中身を棚や冷蔵庫に収めながら、返答するパパ。

一瞬のうちに、これほどの作り話を思いつくなんて。さすがだなぁ。
もしかしたら、野菜片手に語った真に迫る名言は、本心じゃないのかしら。

あんなに鬼気迫るものを感じたのに。
チラッと映ったセロリのようなものに気をとられ、ついつい深読みしてしまった矢先。
あることに気がつきました。

字幕では「息子」だったけど、このとき「フランクは」って言ってます。

クリストファー・ウォーケンが演じるのは、フランクの父。
名前は、フランク・アバグネール・シニアといいます。

父と息子が同名なのは、海外では珍しくないんですね。
テーブル上にある郵便物の宛名が「Frank Abagnale, sr.」でした。

ハンラティに、息子の話をするとき。
パパは「My boy」とか「My son」って言うんだけど。

ハンラティが、息子の居所を尋ねたとき。
パパは「Frank」と言いました。

身分証明書を偽造して、海兵隊に入隊したフランクは、フランク・シニアのことなのかもしれませんね。

巧みな字幕表記だなぁ。深いなぁ。

パパの言葉に嘘はなかったのかも

フランクはアメリカ国内にいたはずです。
パパが行ったのも別の戦争なので、すべてが真実ではないのですが。

親が子を思う気持ちに、嘘はなかったはず。

むしろ真実を話さなかったのは、ハンラティの方かもしれませんね。
シリアスな顔でコクリとした後、電話ボックスに駆け込むシーンも必見です。

『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は

2002年に作られた、アメリカ映画です。

【監督】スティーヴン・スピルバーグ
【出演】レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス、クリストファー・ウォーケン、エイミー・アダムスほか。


はろこ

今回、私が観たのは、神田直美さんという方の日本語字幕でした。
これまで観たのは、おそらく戸田奈津子さん。
どちらも魅力がありますね。
いろんな方の、いろんな翻訳は、新しい発見を楽しめる素敵な機会。嬉しくなります。