映画【今夜、ロマンス劇場で】幸せにしたいと夢見る青年を演じた坂口健太郎の不思議な力

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映画を愛する青年、牧野健司
彼の心の動きを丁寧に表現したのは、坂口健太郎さんです。

最後の恋に落ちた、自称奥手な青年

いつしか私は全力で応援したくなるほど、心ひかれてしまいました。

夢は、自分の作った映画で、誰かを幸せにすること。

年代物のフィルム映写機にセッティングする場面がありますね。

時は、昭和35年。
てっきり彼は映写技師だと思ったけれど。

牧野健司は助監督
映画監督を目指してます。

書き割り(カキワリ)と呼ばれる、風景などを描いた大道具のパネルを徹夜で仕上げたり。
小道具を運んだり。
細々とした用事も、監督になるための修行だって、嫌な顔しないんです。
映画界が大好きで、大切にしてるんだな。

落ち込んでるとき元気づけてくれたのは、いつも彼女。

ケアレスミスや不可抗力で、落ち込んだり怒鳴られたり。

牧野さんは毎日のように『お転婆姫と三獣士』という映画を観るんです。

ロマンス劇場の、映写室の小窓から。

目をキラキラ輝かせて、まるで少年のよう。
ニコニコしたりうっとりしたり。
あんなにしょんぼりしてたのに、すっかりごきげんです。

営業時間外に、貸し切り状態の劇場で。

「これで見納めか……」って呟く、牧野さん。

前列のシートにしがみつくようにして、スクリーンを見つめる姿。
幼い子供みたいに、涙をふいてるところ。

牧野さんは背が高いですよね。
アルコール度数の高そうな洋酒を飲むシーンも出てきます。

どこから見ても、大人の男の人なのに。
小さな男の子みたいに見えて、私まで泣きたくなる。

姫が旅立つ決意をしたのは、この時なんじゃないかな。
違うかな……、もう少し前から?

牧野さんが、どれほどがっかりしたのか。
心に染みる場面です。

そんなこんなの末の、幸せにする宣言。

クライマックス、ロマンス劇場の通路での、牧野さんのセリフはどれも名言ばかり。

映画館主の、本多さんとの会話を思い出して、よりいっそう切なくてたまらない感情ぶわっと押し寄せてくるのです。

『今夜、ロマンス劇場で』は

2018年に公開された、日本映画です。

【監督】武内英樹
【出演】綾瀬はるか、坂口健太郎、本田翼、北村一輝、中尾明慶、柄本明、加藤剛ほか。

誰かの幸せよりも、「あなた」の幸せを選んだ、ということだと思うんですよね。
新しい夢になった、と言っていいのかも。
お互いを尊重する「ふたりの表情」も、ほんとうに素敵。