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映画の最後に登場する、日本で出版された詩集を持ってる男性。
エンドクレジットに書かれた永瀬正敏さんの役名は、Japanese Poetです。
とは言うものの、自作の詩を朗読する場面はありません。
黒っぽいスーツに、メガネ。
風刺画に描かれるような、これぞ日本人なイメージでもあり。
喪章つけたらお葬式、っていう感じでもあるような。
しかしてその実体は?
はじめは、死神かと思いました。
ニュージャージー州パターソン市の、パターソン氏の一週間を描いた映画。
穏やかでユーモラスな日常ですが……。
どれか爆発したらどうしよう。
連れ去られたりしないよね?
私はハラハラし通しでした。
そして、やって来る土曜日。
すべての不幸を引き受けたような、秘密のノート。
眠れぬ夜が明け、日曜日。
お気に入りの滝を見るには最適なベンチに座ってたパターソン。
ふと現れた、見知らぬ男性から話しかけられます。
黒っぽいスーツを着て、メガネかけてる。
永瀬正敏さん演じる、Japanese Poetでした。
週の後半、なんとな~く不穏な空気が漂うんですよね。
色彩に込められたもの
偶然、永瀬正敏さんのインタビュー記事を読みまして。
えっ、ブルー系?
それで、ようやく気付いたんです。
黒いネクタイとは違う、濃い藍色のジャケット。
彼が持ってた『パタースン』のカバーとも、同系色でも、違う色に見えますね。
光の加減や時間の経過もあるのかな。
隣に座る、パターソンの上着の色。
ふたりが出会った3時前頃、そうとは思えなかったんですが。
かばんを開いて、ノートブックを見せてる場面。
ふたりの着ている上着の色が、よく似てるように見えました。
余談ですが。
ブルー系のスーツに、ブラウンのかばん。
詩人さんのファッションセンスも素敵です。
黒ずくめだって勘違いして、ごめんなさい。
詩の神様なのかもしれません
とても詩的な会話を交わしてるうちに、笑顔とユーモアを取り戻すパターソン。
明日発つという詩人さん。
握手を交わした右手の指に、絆創膏が巻かれてましたね。
それを見て、秘密のノートを連想してしまいました。
大阪へ向かうというJapanese Poetは、詩の神様だったんじゃないかと思うのです。
『パターソン』は、2016年に作られた、アメリカ・ドイツ・フランスの合作映画です。
【監督】ジム・ジャームッシュ
【出演】アダム・ドライバー、ゴルシフテ・ファラハニ、永瀬正敏、バリー・シャバカ・ヘンリー、クリフ・スミス、ネリーほか。
永瀬正敏さんのセリフ回し。
心地よくてユーモラスで、とても好きです。
繰り返しのリズム感も、音楽だなぁとしみじみ。
「A-Ha」の言い方も素敵でしたし、それに反応するアダム・ドライバーの表情も最高。
W・C・ウィリアムズがドクターで、パターソンがドライバーっていうくだりも、とても好きです。