映画【刑事ジョン・ブック 目撃者】アーミッシュと呼ばれる人々の生活様式をこまやかに描写した作品

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牧歌的な風景の中、全身ほとんど黒ずくめの服装をした人々が、あちらこちらから歩いてくる場面から、映画は始まります。

まだ知らない世界を知ることのできる喜びを感じられる作品です。

『刑事ジョン・ブック 目撃者』は

1985年に作られた、アメリカ映画です。
監督は、ピーター・ウィアー。
出演は、ハリソン・フォード、ケリー・マクギリス、ルーカス・ハース、アレクサンダー・ゴドノフ、ヴィゴ・モーテンセン、ダニー・グローヴァー、ジョセフ・ソマーほか。

1980年代。ペンシルベニア州の、とある村。
夫を亡くしたレイチェルは、息子のサミュエルと列車に乗って、すぐ帰る予定の旅に出ます。
馬車より速い乗り物も、車窓からの風景も、初めて目にするものばかり。
サミュエルのワクワクは止まりません。

途中下車した、フィラデルフィア駅の構内で、その目は偶然、あることを見てしまい・・・。

サミュエルの「知る喜び」。

1976年4月生まれのルーカス・ハースが演じた、サミュエル少年。
初めて目にする外の世界に、瞳を輝かせている素振りに、私まで嬉しくなりました。

まだ幼いルーカス・ハースの、のお芝居が秀逸で、サミュエルはものを見る力に長けているんだなあと、実感させられます。

それに加えてサミュエルは、利発そうだし、聞き分けのよい、可愛らしい男の子。

今はしたらダメなことと、今やらないとダメなことを、きちんと理解できる、賢い男の子です。

私たちの「知る喜び」。

冒頭の、黒をまとった人々が歩いてくるシーン。
後になって意味が分かった時に、思わずうなってしまいました。

お葬式には間違いないのですが、派手な服装をしないことをも、表現したんですね。

アーミッシュの人々が守り続けている生活様式が、きめ細やかに描かれています。

もちろん、映画に登場するもの全てが、事実ではないでしょうけれど・・・。

電信柱が見あたらないので、電気も電話も引いてないと思われます。
かと言って、電力が全くない訳でもなさそうです。
風車か水車かを用いて、蓄電池は活用しているのかな・・・?
暗闇を照らすのは、ランプでした。
壊れた車を牽引するのは、馬でした。

そう。
近代以前の生活様式を守りながら、自給自足する彼らの暮らしに、車を持ち込んだのが、ジョン・ブック
フィラデルフィアの警察官です。

事件が起こるのが、フィラデルフィアの駅、というのも「巧いなあ」と思いました。

目撃者として危険にさらされる親子を、アーミッシュの村まで送り届けた所で、力尽きたジョン・ブック。

傷が癒えるまでの、つかの間。
彼らとともに、いまを生きる姿に、ピーター・ウィアー監督らしさが光ります。