この映画を観ようと思ったのは、デ・ニーロ主演。ベッソン監督のアクション・コメディと聞いたからでした。
心臓が弱いなら、ご用心くださいね。
凄絶なバイオレンス・アクション・クライムコメディだと思います。
『マラヴィータ』は
2013年に作られた、アメリカとフランスの合作映画です。
監督は、リュック・ベッソン。
出演は、ロバート・デ・ニーロ、ミシェル・ファイファー、トミー・リー・ジョーンズ、ディアナ・アグロン、ジョン・デレオほか。
脚本は、リュック・ベッソンとマイケル・カレオ。
製作総指揮は、マーティン・スコセッシとタッカー・トゥーリーです。
ある夜のこと。
フランス、ノルマンディー地方の田舎町に、家族4人と犬1匹が引っ越してきました。
翌朝から、円滑にコミュニケーションを図るべく、行動し始める彼らですが・・・。
大胆不敵すぎる一家。
ごく普通に見える、アメリカ人のフレッド・ブレイクと家族たち。
どこにでもいるような仲むつまじい家族ですが、全員めちゃくちゃに強烈です。
お母さんのマギー(ミシェル・ファイファー)。
引っ越してきたばかりなので、スーパーの品揃えもレイアウトも、よく分かりません。
店主も常連客も、外国人だと思ってか、先入観にとらわれてか、陰口三昧。
ここまでヒドくは無いけれど、私にも経験がある、引っ越し・あるあるのひとつです。
マギーが、陳列棚にある商品を使って、スーパーのバックヤードを吹っ飛ばす場面。
ブラックユーモアではありますが、ギリギリOK。私は、気分がスカッとしました。
娘のベル(ディアナ・アグロン)。
容姿端麗な彼女は、転校先の男子生徒や、町のこわいお兄さんたちに、つきまとわれます。
あんまりしつこいので、テニスラケットが折れるくらい、ボッコボコにしました。
息子のウォレン(ジョン・デレオ)。
転校先で、さんざんイジメられたり殴られたり。ひどい目にあいます。
しかし彼は、度胸がある知略家でした。策を練り、きっちり報復して、逆に校内を仕切るように・・・。
お父さんのフレッド(ロバート・デ・ニーロ)。
殴ります。ぶっ壊します。めっちゃバイオレンスです。
私の心臓が口から飛び出しそうでした。
ご近所に、作家と称するフレッドは、家族一緒にFBIの証人保護プログラムを適用された、元、マフィアのボスだったのです。
セルフパロディが楽しい。
「デ・ニーロ主演。ベッソン監督のアクション・コメディ」と聞いた私は・・・。
ロバート・デ・ニーロのコメディかぁ。
『アナライズ・ミー』的な、感じかなぁ。
『ミート・ザ・ペアレンツ』も、面白かったなぁ。
リュック・ベッソンのコメディ!見当もつかない。
『フィフス・エレメント』は、暴力的な場面もあったけど、ファンタジーでもあったしなぁ。
『レオン』や『ニキータ』でさえ、場面によってはユーモラスだと言えるのかもなぁ。
そんな風に思いながら、画面を見ていましたら・・・。
冒頭で、『レオン』を彷彿させるシーンが登場します。
凄絶な場面なのに、思わずニヤリとしてしまう私。
私にも、気が付けた所は、まだありました。
フレッドは、ご近所付き合いの一環として、映画の討論会に参加することになりました。
ところが手違いがあって、予定していた映画とは別の作品について、討論することに。
そこで鑑賞するのが『グッドフェローズ』。
実在するニューヨーク・マフィアを題材にした、1990年に作られた映画です。
主要な登場人物のひとりを、ロバート・デ・ニーロが演じています。
もちろん『グッドフェローズ』を観ていなくても、『マラヴィータ』の面白さが変わる訳では、全くありません。
ファンのみなさんは、きっと大喜びでしょうね。
けれども。
やっぱりこの作品、流血しすぎです。
亡くなりすぎです。
人が痛めつけられるシーンを見続けると、痛くなったり苦しくなったりするくらい、同調してしまう私には、壮絶なバイオレンス映画でした。
邦題は『マラヴィータ』ですが、原題は、英語圏と仏語圏で異なるそうです。
英題は『THE FAMILY』、仏題は『MALAVITA』(邦題と同じ)になります。