映画【タイタニック】令嬢として航海に出てローズ・ドーソンとして悔いなく生きる。彼女は約束を守りました

本ページはプロモーションが含まれています

これまで『タイタニック』について、しきりに何事か言っております。

ジャックに熱が入る余り、ないがしろにしていると、思われるかも知れません。
けれども私は、ローズが好きです。

足りないところの多い私とは正反対。
たくさんの美点を兼ね備えている人と言っても、けっして過言ではありません。

『タイタニック』は

1997年に作られた、アメリカ映画です。
監督は、ジェームズ・キャメロン。
出演は、レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、ビリー・ゼイン、フランシス・フィッシャー、ビル・パクストン、グロリア・スチュワートほか。

この映画は、過去と現在がリンクする、二部構成になっています。

ケイト・ウィンスレットが演じたローズは、1912年と1996年を結ぶ、重要な架空の登場人物です。

1912年4月10日、イギリスのサウサンプトン港から、タイタニック号に乗船したときの、彼女は・・・

ローズ・デウィット・ブケーター

いつの時代でも「上流階級だから、きっと幸せ」なんてことは、あり得ません。
どんなに美しくても、どんなに賢くても、悩みゼロなんて人はいません

17才のローズは、名家のご令嬢。
身分は高いものの、破産寸前です。
亡くなった父が遺したものは、家名と莫大な借金でした。

虚栄心のカタマリのような、母ルース。
「ホックリー家(の財力)なら申し分ない」と強引に、愛娘を婚約させました。

大切な思い出である、家や家具を競売にかけるよりも、家名を切り札にして、ローズを政略結婚させることを選んだのです。

ひょっとしたら、かつてルースも、愛のない結婚を強いられたのかもしれません。
百歩ゆずって、ローズを第一に考えた上での、母心からの縁組だった可能性もゼロではありません。が。冷酷です。

婚約者のキャルは、ローズに好意を持っていそうに見えます。が。
大事にしてくれそうには、ありません。

典型的な、金に物を言わせるタイプの、大富豪ホックリー家のお坊っちゃま。
横暴で、相手をモノのように扱う、平たく言えば不愉快なヒトです。

ほんとうのローズ

彼女は、芸術に深い造詣を持っています。
世間話に、フロイトを引用したりする、かなりの博識です。

タイタニック号の船内を案内されて、ふと気が付いた事を、質問しました。
主任設計士のアンドリューズさんから説明を受けて、救命ボートの数が足りない事情も、すぐさま理解します。

容姿端麗で、立ち居振る舞いも完璧。
頭脳明晰で、ユーモアをも解する。
なんて素晴らしいんでしょう。

ローズ・ドーソン

そして。
1996年。

来月101才になるローズ・カルバートは、アイオワの小さな町で、余生を満喫していました。

カルバートなる男性と結婚して、2人の子供を授かって。
その前の、かつて女優だったころ・・・。
彼女は、ローズ・ドーソンという名前でした。

「写真が、たくさんあるな」
「いろんな体験をしたんだな」

そう思っただけの、序盤のシーンです。
それが後々、ふたりが語り合ったやりたいことに繋がっていると気づいたとき。
心が締め付けられ、涙がこぼれてしまいました。

カルパチア号で、名前を訊ねられたとき、自由の女神を見上げながら、ドーソンと答えた彼女。

ローズ・デウィット・ブケーターは、タイタニック沈没時に亡くなった、と劇中で明言されるシーンがあります。

ニューヨークにたどり着いた後も、ローズはジャックとの約束を、決して忘れませんでした。

ローズは、旅行の時にも、写真と一緒です。
いつ何があったとしても、ジャックに見せられるようにかな?
と思ってしまいました。