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こんな言葉を、自分のいないところで、仲間たちから言われていたら。
希望や勇気を取り戻すことができるでしょう。
『ショーシャンクの空に』の、今回の名言につながる、あらすじ。
罪に問われ、有罪判決が下されたアンドリュー・デュフレーン。
裁判長は、言い渡します。
「厳重管理の終身刑に処す」と。
アンディの収監先は、ショーシャンク刑務所でした。
時を同じくして。
ショーシャンクの囚人に、仮釈放不可の判定が下りました。
彼の名は、レッド。
終身刑で既に20年、服役しています。
受刑者たちの日常は、代わり映えしないもの。
入所したての新入りは、賭け事の対象にされたり、好奇の目で見られたりします。
アンディも、例外ではありません。
人を避けていた彼は、入所して1か月たった頃、レッドに話しかけました。
まともに話した、最初の相手だそうですが。
そのわりにはアンディは、レッドのことをよく知ってました。
調達屋をしていること。
自分に悪意を持っていないこと。
レッドは、アンディが入所したときから、彼を観察していました。
アンディも、なれない刑務所生活のなか、注意深く観察していたのでしょう。
レッドいわく「終身刑は、ひとを廃人にする刑罰だ」。
アンディにとって、悪夢のような2年が過ぎたころ、転機が訪れました。
工場の屋根を修理する、屋外作業です。
結果的に持ち前のスキルを発揮する、アンディとレッド。
刑務官たちの雑談を耳にした、アンディ。
鬼主任に、提案を持ちかけます。
「面倒な書類作成は、無料で私がやりましょう。」
「同僚たちに、ビールをお願いします。」
今にも突き落とされそうになり、顔面蒼白なアンディは……。
エリス・ボイド・レディング(モーガン・フリーマン)
レッドは、たいていの物は取り寄せられる、ショーシャンク刑務所の調達屋さん。
驚いたことに、応募が殺到した、屋外作業の当選権利も調達できるんです。
まさかと言うか、やはりと言うか。
刑務官と取引してましたね。
人望があり、人心掌握にも長けているレッド。
彼のフルネームは、エリス・ボイド・レディングです。
映画の序盤で、アンディに名乗る場面。
1949年5月の屋外作業で、名前を呼ばれるところ。
映画の冒頭、仮釈放の面接シーン。
どれも印象的なんですが、観るたび印象が変わるのは、仮釈放に関連するシーン。
脱線しそうなので、別の機会に改めますね。
アンディについて、前に長々と語ってしまいました。
よろしければ、ご覧くださいませ。
ヘイウッド(ウィリアム・サドラー)
若干コワモテ、ちょっぴりお調子者のヘイウッド。
アンディが入所した夜、賭けに勝つため、新入りをからかい過ぎてしまいました。
翌朝、みんなから非難の目を向けられます。
ショーシャンクは独房なので、仲間たちには見えないんだけど。
あのとき、ヘイウッドが焦ったり後悔したり、いろんな表情を浮かべてまして。
彼を憎めないんですよね。
5月の屋外作業のとき。
ビールに手をつけないアンディを見て、話しかけるヘイウッド。
心を打たれる、名場面だと思います。
屋外作業でタール塗りをした、同僚たちの名言。
レッドが、人間のクズだと評した囚人が移送されるとき。
アンディの同僚たちは、こう言いました。
「welcome back …」
レッドはフェンスに手をかけたまま、移送車を目で追いながら、口を開きます。
「アンディを温かく迎えよう」
「I’m thinking Andy could use a nice welcome back when he gets out of the infirmary.」
きっぱりと、真剣な表情で。
そして、まわりの仲間に目を向けました。
おどけるような、人懐っこい眼差しで。
彼の声は聞き取りやすいけど、いくつか耳なれない単語がありまして。
辞書で調べてみました。
infirmary=医務室、診療所、病院。
welcome back=おかえり
nice=魅力のある、見事な、快い、快適な。
could use ~=~があるといい、~があると助かる、~が欲しい。
セリフをそのまま訳すと、こうでしょうか。
「俺は思うよ。アンディは、気持ちよく「おかえり」って迎えられたら嬉しいんじゃないかな。医務室から戻った時に。」
字幕の、限られた文字数で意味を伝える力。
ほんとうに素晴らしい。
「アンディを温かく迎えよう」
レッドの、心づくしの名言ですね。
「Sounds good to us.」
レッドの左隣にいた、ヘイウッド。
彼の言葉に振り返り、仲間の顔も見たあとで、ほのぼのとした感じで応じます。
「ビールの借りも あるからな」
「Sounds good to us. I figure we owe him that much for the beer.」
みんなの思いを代弁するように、しみじみと答えるヘイウッド。
屋外作業を思い出して、ほっこり心あたたまります。
この場面も、名シーンだなぁ。
彼のセリフも、味がありますね。
日本語にするなら、こうかな。
「そりゃ、いいね。俺たち、アンディに恩があるからな。ビールの。」
owe=借りている、(返す義務を)負う。
Sounds good ~=いいね、良さそうに思える。
「Let’s get him some rocks.」
レッドが、さらに続けます。
「チェスの駒を 彫る石を探そう」
「The man likes to play chess. Let’s get him some rocks.」
そのまま訳すなら、こうでしょうか。
「チェスをするのが好きな男だ。彼のために、いくつかの石を手に入れよう。」
アンディが、レッドと初めてチェスをする場面を思い出しますね。
「Rocks. …… !?」
レッドの言葉に、うなづくヘイウッド。
ポツリと呟き、ハッとして聞き返すシーン。
大好きです。
「Rocks. …… !?」
ちょうど場面転換するので、字幕は出ませんでしたね。
口をパクパクさせながら、「石?」って訊くヘイウッド。
もしかしたら「What ?」かもしれません。
どちらにしても、お茶目だなぁ。
このあと続く、小粋な人海戦術シーンも大好きです。
『ショーシャンクの空に』の、スタッフ・キャスト・製作年など。
【監督・脚本】フランク・ダラボン
【原作】スティーヴン・キング『刑務所のリタ・ヘイワース』
【音楽】トーマス・ニューマン
【出演】ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン、ウィリアム・サドラー、ジェームズ・ホイットモア、ボブ・ガントン、クランシー・ブラウンほか。
【製作年・国】1994年、アメリカ。
【原題】『The Shawshank Redemption』
調達屋のレッドが、仲間と一緒に、お金では買えないものを集める。
この一連のシーンは、いつ観てもグッときます。
彼も仲間たちも、心の安らぎを得られたのでは?
とても好きなエピソードのひとつです。
アンディが「co-workers」と言う場面。
字幕では「仲間」でしたね。
辞書で調べると「同僚たち」という意味もあり、なんだか気に入ってしまいました。