本ページはプロモーションが含まれています
『あん』は
2015年に作られた 日本・フランス・ドイツの合作映画です。
監督は、河瀬直美。
出演は、樹木希林、永瀬正敏、内田伽羅、市原悦子ほか。
ドリアン助川の原作を基にして、河瀬監督が脚本を書きました。
千太郎さんは、どら焼き屋「どら春」の雇われ店長さんです。
繁盛してるとは言いがたい「どら春」ですが、程近い場所にある中学校に通うワカナちゃんにとっては、数少ない「居場所」のひとつでした。
「どら春」で働き始めた徳江さんとは、初めて会った時から打ち解けて、「相談事」もしていたワカナちゃん。
ペット禁止のアパートで、「マーヴィー」と名付けたカナリアを飼っていたのですが・・・。
西条八十の「かなりや」を ふいに思い出しました。
ワカナちゃんが、オレンジ色のコートを着て「どら春」にやって来たとき、徳江さんの姿はありませんでした。
この映画の中盤の、重要な場面です。
店長さんも、失意のなかにいました。
ワカナちゃんは、徳江さんと初めて会った時の事を、店長さんに話します。
「2人で月を見ながら」「約束」したこと。
大きな荷物を大事そうに抱えていた、ワカナちゃん。マーヴィーと鳥かごでした。
「店長さん。会いに行きませんか?」
心を痛めているワカナちゃんは、こう言って店長さんの背中を押しました。
自分自身をも、勇気づけたかったのかも知れません。
「歌を忘れた カナリヤは」最後には「忘れた歌を 思い出す」んですよね。
この場面から、この映画から、励まされてるような気がするのです。
中学生の女の子、ワカナちゃん。
電車の中で、男の子に「読んで」と渡された絵本が、『よるくま』です。
ワカナちゃんは、家で(おそらく学校でも)孤独を感じているように、見えました。
男の子に絵本を読んであげている時。
その夜、自宅で、お母さんと一緒にいる時。
ワカナちゃんを見ていると、さまざまな感情が込み上げてくるのを、止められませんでした。
『あん』を観たのは、『よるくま』を読んだあとでした。
逆じゃなくて良かったと、心から思います。
「鳥」は、いろんな映画に登場します。
人間には できない「空を飛ぶ事ができる」いきもの。
「自由」や「希望」の象徴なのかも知れませんね。