【横道世之介】意外性の塊な倉持一平。高良健吾・池松壮亮・朝倉あき。三人から伝わる関係性にグッとくる。

途中まで、軽~い感じの青春映画なのかなぁって、思ってたんです。

大学に入学したての横道世之介(よこみち よのすけ)。
彼と、彼が行く先で出会う人々のよもやまは……。
些細なようで、かけがえのない、愛すべき世の中でした。

印象深い登場人物も、大勢いますよね。
何回かに分けて、魅力を語り尽くしたいと思います。


横道世之介

ドロドロとは無縁の、三人の関係。

たとえば、大学の入学式の日に出会った、同窓生三人の間柄。

十八の春の世之介は、いい人だけどいい男の一歩手前。独特の雰囲気がありました。
高良健吾さんが演じてます。

倉持一平

そんな彼と入学式で隣り合わせた、倉持一平(くらもち いっぺい)。
いやはや、無邪気にはしゃぐと相手を傷つける事にもなるんだな。
勉強になります。

彼は、初対面の女の子を泣かせてしまいましたね。

倉持を演じたのは、池松壮亮さん。
調子に乗ってきゃっきゃと喜んでた彼が、急にオロオロし始めるところ。
くるくる変わる表情も印象的なシーンです。

ふざけまくる姿には、正直イラッとしましたし。
困り果てる様子を見てたら、なんだか気の毒に思えてしまう。

この頃の倉持は、悪い人じゃないんだけどいい男の一歩手前。個性的な魅力の持ち主でしたね。

阿久津唯

入学式だから、はりきってメイクしたのかもしれません。
すっぴんでも可愛いんだろうなぁ。
阿久津唯(あくつ ゆい)を演じたのは、朝倉あきさんです。

穏便に切り抜けようと、なんとか笑顔で応じるところ。
堪忍袋の緒が切れて、ついに怒っちゃうところ。
わかるなぁ。ショックだよね。

倉持からしつこくイジられ、とうとう泣き出してしまう唯。
一瞬、ガッカリしたようにも見えました。
教室で世之介が言った「おしゃれだね」。
あの言葉は社交辞令だったのかなぁ。
彼女は、そう思ったのかもしれませんね。

第一印象は、あてにならない?

世之介と倉持。
世之介と唯。
唯と倉持。

それぞれの印象は、がらりと変わり続けます。

サンバサークルの合宿中、お風呂場で話してる場面。
懐かしく思い出して、笑い合ってるシーン。
引っ越し先に到着して、決意表明してる場面。
あせってサンダル、放り投げるシーン。
ほかにもたくさんあるけれど、どれも心に刺さります。

物語が進むにつれ、世之介も倉持も、みるみるいい男になるんですよね。
いや。
もとから素敵だったのに、私に見る目がなかったんだな。

彼らが登場するたびに、笑わされるし、泣かされる。
コンビのときも、トリオのときも、とっても素敵な三人でした。

『横道世之介』は、2013年に公開された、日本映画です。

【監督】沖田修一
【出演】高良健吾、吉高由里子、池松壮亮、朝倉あき、綾野剛、伊藤歩、柄本佑、江口のりこ、井浦新、きたろう、余貴美子ほか。

【原作】吉田修一の「横道世之介」
【脚本】沖田修一、前田司郎
【音楽】高田漣
【主題歌】ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「今を生きて」

はろこ

未来の二人が、過去を思い出してるシーン。
初めて観たときは、そこまで重要な場面だと思わなかったんです。
いい感じに年齢を重ねた二人。
この映画を観るたび私は、その場にいない「あのひと」のことも、ふと考えるようになりました。