映画【レンタネコ】都会の片隅で繰り広げられる猫と人間の優しい寓話

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人間の一方的な都合で、猫を他人にレンタルする? けしからん!!

この映画を観るまえの、第一印象です。

いくら「映画だから」って、「寂しい人」相手にだって、それはダメだろう! と非常に怒ったので、全く観る気はなかったはずが・・・。

『レンタネコ』は

2011年に作られた 日本映画です。
監督は、荻上直子。
出演は、市川実日子、草村礼子、光石研、山田真歩、田中圭、小林克也ほか。
脚本も、荻上直子。
美術は、富田麻友美です。

サヨコの家は、一戸建て。独り暮らしを しています。
正確に言えば、人間はサヨコだけですが、たくさんの猫と 一緒に住んでます。

仕事に出かける支度をしますが、向かった先は 川沿いの遊歩道。猫たちを乗せたリヤカーを引きながら、「売り声」の ようなものを上げるのでした。

「レンタ~ ネコ。レンタ~ ネコ。ネコ、ネコ。寂しいヒトに、ネコ貸します。」

誰でも借りられる訳では ありません。

サヨコによる「きびしい審査」をクリアする必要が ありました。

猫と一緒に「借りたいと言った人」の家に行くサヨコ。あたかも家庭訪問のようですね。
暮らしぶりを拝見しながら、おしゃべりしながら、身の上話も聞きながら・・・。
いつの間にか仲良くなっていくのです。

「猫を貸すことに ふさわしい条件が揃っているか?」の審査でも ありました。

肝心なのは、猫の気持ちを尊重すること。しばらく暮らすことになる「この お家」、どうですか?

こどもの頃から猫に好かれていたサヨコは、どうやら意思の疎通が出来るようなのです。

審査に合格した人は、「借用期限」を書き込んで、相性ぴったりのネコを借り受けるのでした。

サヨコの家に 住んでみたい。

なぜか懐かしさを感じる一軒家。とはいえ、「野中の一軒家」ではありません。猫の額、ほどでもない庭の向こうには、お隣さんが建っています。

「おばあちゃんの家を自分好みにアレンジしたら、こうなった」風の、人にも猫にも居心地満点、センスも抜群。

帰宅して、畳に寝っ転がって「いや~、我が家が一番ラクだな~」と言ってしまう、そんな気持ちになるところ。

映画のなかの風景も、ストーリーだって少し現実離れしています。

だからでしょうか?
「どこかにあったらいいな」と訪れてみたくなる、優しい世界のお話でした。