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今から70年以上も前に作り出された、架空の人物、ミニヴァー夫人。
お手本にしたい、理想の女性像は普遍的なのかも知れませんね。
『ミニヴァー夫人』は
1942年に作られた、アメリカ映画です。
監督は、ウィリアム・ワイラー。
出演は、グリア・ガースン、ウォルター・ピジョン、テレサ・ライト、リチャード・ネイ、デイム・メイ・ウィッティ、ヘンリー・トラヴァース、クレア・サンディス、クリストファー・セヴェリンほか。
音楽は、ハーバート・ストサート。
製作は、シドニー・フランクリンです。
1939年の夏。
ロンドン近郊の、のどかな村ベルハム。
ケイ・ミニヴァーは、建築家の夫クレムと3人の子どもに恵まれて、幸せに暮らしていました。
ロンドンで、素敵な帽子を買った日。
嬉しい申し出を受けました・・・。
バラのような人。
ベルハム駅長のバラードさんは、趣味のバラ作りを、鉄道の仕事より、大事に思っていました。
あるとき、色も、形も、香りも、素晴らしい、美しいバラを育てます。
まだ名前のない、この自信作の赤いバラに、
ミニヴァー夫人の名前をつけたいので、承諾してもらえないか?
という申し出をします。
「赤いバラは好きなの」という、ミニヴァー夫人。
自信作の名前を「私が考えるのね?」と思っていたので、ビックリしてしまいます。
バラードさんは、こう続けました。
「奥さんが改札を通るたびに見ていました。
いつも私に、声をかけてくださる。
それが、嬉しくてね。
バラのような方だし。それで、お名前を」
「とても光栄だわ」
「ありがとう」
ミニヴァー夫人は、満面の笑顔で、こう答えたのでした。
外見の美しさだけで、バラに名前がついたんじゃないことが分かる、この場面。
とても印象に残ります。
「賢い奥さんだ」「恐れいります」
ミニヴァー家の大黒柱、クレム。
村で一番美人の奥さんを持つ、建築家です。
ロンドンで、ケイが高価な帽子を買った日。
クレムも、大きな買い物をしていました。
予算オーバーだけど、新車並みのいい車。もちろん、ケイには秘密です。
簡単には言い出せません。タイミングが重要です。
言葉を選びながら、どうにかこうにか打ち明けて、二人でドライブに出かけました。
帰宅して、クレムは、ケイに話します。
「浪費と非難されるかと・・・」
「たまには浪費も悪くないわ」
ケイは、優しく答えます。
安心したクレムは、さらに続けました。
「本当に欲しい物を、パッと買うのは、楽しいものさ」
「カネなんてのは、人生を楽しむために、あるんだからね。使ってこそさ」
そこで、ケイは、帽子のことを話します。
お互い、値段は秘密ですが・・・。
「じゃ、高いの?」
と聞くクレムに、ケイが答えました。
「あなたの車ほどでは」
二人とも、自分のしたことは浪費と言うけど、相手を責めることはありません。
会話の続きをもう少し。
「ケイ、君は実に美人だ」
「うれしいわ」
「結婚した頃より美しい。なぜかな」
「それはね、幸せだから」