タイトルのとおり、忍者が出てきます。
とは言え、忍者映画かというと???です。
時代劇でもありません。
子供向けだと感じられるかも知れませんが、大人が観ても、とっても楽しめます。
『カラフル忍者いろまき』は
2016年に作られた、日本の短編アニメーション映画です。
監督は、小林賢太郎。
声の出演は、清水葉月、犬山イヌコ、山崎バニラ、一龍斎貞友、長縄まりあ、板倉光隆、水野理沙ほか。
脚本とキャラクター原案も、小林賢太郎。
絵コンテと演出は、荒川眞嗣。
キャラクターデザインと作画監督は、海島千本。
音響監督は、郷田ほづみ。
親子3人で、都会から田舎へ引っ越してきた、小学3年生の姫乃。
やっと自分の部屋ができて、ひとりで眠るのはこわくないという、なかなかおしゃまな女の子です。
ところが、その夜。
誰かの話し声がしました。
飛び起きた姫乃の前に、カラフルな忍者が、次から次へと出没して。
古くて大きなこの家は、どうやら忍者屋敷だったみたい・・・。
すっとぼけたような感じが、なんとも痛快なんです。
その夜、現れたり消えたりしたのは、赤巻・青巻・黄色巻。
「ビックリした!」と言いながら、たいして驚いてない姫乃が、面白くて可愛くて。
翌朝の、お父さんとお母さんの反応も、たいへん微笑ましいのです。
忍者の得意技は?
赤色忍者の赤巻(あかまき)は、炎を操る忍者です。
真っ暗闇のなか、一番最初に現れた赤巻は、姫乃のために赤色忍法、足もと明かりで、照らしてくれました。
姫乃がお礼を言いつつ、電気をつけると、赤巻は消えてしまいましたが・・・。
青色忍者の青巻(あおまき)は、水回り担当の忍者です。
急に出て来た青巻に驚いて、水を出しっぱなしで駆け出した姫乃のために、蛇口を閉めてくれました。
黄色忍者の黄色巻(きいろまき)は、DIY担当の忍者です。
あわてて部屋に戻ったので、障子を破ってしまった姫乃のために、忍法、日曜大工で張り替えてくれました。
ちょっとした困りごとが、こぢんまりと解決していくところが、実に小気味よいのです。
忍者たちの本当の実力。
お母さんが、カセットコンロがつかなくて困っていたら、ササッと赤巻がやって来ます。
お父さんが、洗車するとき困っていたら、パパッと青巻がやって来ます。
ボロボロになった縁側だって、黄色巻がチャチャッと直してくれました。
けれども、忍者くんたちの本当の実力は、いろいろ忍法、混ぜ変化(まぜへんげ)。
青巻と黄色巻で、緑巻(みどりまき)。
増えて、混ざって、色が変わりました。
子供のころ習ったなあ。中間色ですね。
姫乃のお父さんは、絵を描くのがお仕事なので、分かりやすく説明してくれます。
そのあと、紫巻(むらさきまき)・橙巻(だいだいまき)も現れて・・・。
中間色の彼らにも、それぞれ得意技がありました。
色の三原色を、楽しく学べるんです。
踊り出したくなる、主題歌。
監督・脚本・キャラクター原案の、小林賢太郎さん。
オープニング主題歌『カラフル忍者伝』の作詞と、
エンディング主題歌『イロメキ!イロマキ!』の作詞と振り付けも、担当されてます。
緑巻が歌う『イロメキ!イロマキ!』は、踊り出したくなる名曲。
小林賢太郎の世界を、心ゆくまで堪能できること、請け合いです。
「感動するとかしないとか、そんな作品じゃないだろうなぁ。なんせ顔がおしりだしなぁ」
と、呑気に考えていましたが、大間違いでした。
姫乃の思い。
忍者くんたちの思い。
心が震えてしまいました。