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あるときは、弁髪の東洋人。
また、あるときは、悲観主義的な英国人。
しかして、その実体は・・・?
往年のスクリューボールコメディを彷彿させる、コリン・ファースの主演作。
こむずかしい理屈をこねまくる彼、はたして恋の魔法に、かかるのでしょうか?
マジック・イン・ムーンライトは
2014年に作られた、アメリカとイギリスの合作映画です。
監督は、ウディ・アレン。
出演は、コリン・ファース、エマ・ストーン、サイモン・マクバーニー、アイリーン・アトキンス、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ハミッシュ・リンクレイター、ジャッキー・ウィーヴァーほか。
原題は『MAGIC IN THE MOONLIGHT』。
1928年、ベルリンの劇場にて。
東洋の魔術師ウェイ・リン・スーは、一瞬にして巨大な象を消したり、美女の体を真っ二つにしたり・・・。
拍手喝采を浴びた後、バックステージを歩きながら、スタッフを怒鳴り散らします。
(とても流暢なイギリス英語ですね。)
楽屋に戻って、帽子をとるように弁髪を外していると、誰か訪ねてきました。
「スタンリー?」
「バーカン!」
やって来たのは、昔なじみの同業者ハワード・バーカンでした。
ペテン師をとっちめて欲しいと頼まれて、ハワードと一緒に、南仏へ向かう・・・。
英国人マジシャン、スタンリー・クロフォード。
ウェイ・リン・スーの正体は、幕開け早々に判明します。
私の頭の中が、「1928年のベルリンって、時代背景どうなってたっけ?」で、いっぱいになっているところに、ミステリアスな風貌の、東洋人の登場です。
すっかり面食らってしまったのですが、コリン・ファースの声は、特徴がありますね。
ここまで、5分しか経っていません。
引き込まれ過ぎです。さすが、マジシャン。
人の目をくらませる事を、生業にしているのに、実に疑い深いスタンリー。
口をついて出るのは、痛烈な皮肉ばかり。
理論武装してるのかな?と思ったものの、どうにも理路整然とは程遠く。
普通だったら、可愛げのないとか、ひねくれたとか、形容されがちなのかも知れませんが・・・。
そう思わせないスタンリーは、最高にチャーミングだなあ、という印象を受けるのです。
ハワードに頼まれて、アメリカ人霊能者の化けの皮をはがしに、意気揚々とやって来たスタンリー。
けれども。これでは、まるで取らぬ狸の皮算用と言いますか、ミイラ取りがミイラになると言いますか・・・。
アメリカ人霊能者、ソフィ・ベイカー。
ハワードいわく、大富豪の御曹司をいいカモにしているペテン師、です。
いよいよ、スタンリーVSソフィ(+母ベイカー夫人)が始まるのですが・・・。
エマ・ストーンが演じるソフィは、とっても魅力的。
彼女は霊視能力を持っているので、何でも見抜いてしまうのですが、疑いようもないほどニセ者っぽい。
スタンリーは、何度も論破しようとしますが、逆に言い負かされてしまったり。
ぶんぶん振り回されて、翻弄されてしまいます。
このあとも、二転三転、大波乱。
いい人には、ご用心。
いろんな表情を見せてくれる、コリン・ファースの魅力を十二分に感じられる、素敵な映画です。
スタンリーが、ヴァネッサおばさんと会話する場面は、どのシーンも粋で、惚れ惚れしました。