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ジャック・マイヨールは実在した人物ですね。
映画『グラン・ブルー』はドキュメンタリー作品ではない、のかもしれません。
ジャックとエンゾは、実在した人物をモデルにしていますし。
ふたりが出場するインターナショナル・コンペティション・オブ・フリーダイビングは、さながら現実の競技会のようでした。
ノンフィクションじゃない、って分かってるつもりなんですが。
虚構と現実を行ったり来たりしてしまう。
どうしてだか境界という言葉が、頭から離れない映画なのです。
『グラン・ブルー「オリジナル・バージョン」』の、あらすじ。
1965年、ギリシャ。
小さいけれど利発な、ジャック。
頼もしいガキ大将、エンゾ。
お兄ちゃん子で忠実な、ロベルト。
少年たちにとって、忘れられない出来事が起こります。
そして、時は流れ・・・。
1988年、シチリア島。
イタリア人のエンゾは、今やフリーダイビングの世界チャンピオン。
彼は、あるフランス人を探すことにしました。
一方、そのころアンデス山脈では……。
おもな登場人物(役名:俳優名)
ジャック:ジャン=マルク・バール
エンゾ:ジャン・レノ
ジョアンナ:ロザンナ・アークエット
ロベルト:マルク・デュレ
ロレンス博士:ポール・シェナー
ノヴェリ:セルジオ・カステリット
ルイおじさん:ジャン・ブイーズ
ダフィ:グリフィン・ダン
監督の、積年の思いが込められた作品。
リュック・ベッソンのご両親は、スキューバダイビングのインストラクターを、しておられたそうです。
その影響もあってか、イルカに魅せられたからか、海洋生物学者を志していたとか。
ところが、海での事故が原因で、一時はダイビングも出来なくなり、学者の道も断念したそうなのです。
伝説の、天才ダイバーの協力もあり、映画は作られました。
ジャック・マイヨールは、1927年に生まれた、フランスの伝説的なフリーダイバーです。
実在した人物ですが、あくまで映画なので、全てが現実の出来事ではありません。
虚構と現実の境目が分からなくなって、なんだか観ている私の方が、波に揺られているような気分になりました。
事物などを分ける、境目。
どういう訳か分からないのですが・・・。
『グラン・ブルー』を観ていると、あらゆるものの、境界について考えさせられるのです。
海と陸。
友情と愛情。
イルカと人間。
そして、生と死。
これまで、境目がハッキリしている事柄だと、信じて疑いもしませんでした。
それなのに。
そもそも、ハッキリ分けられるものなの?
あれ、どうだっけ?
いったん考え始めると、グラグラ揺さぶられてしまいました。
この映画の、主要な登場人物は3人です。
そのなかでも、あらゆるものの境界の狭間で、たゆたっているのが、ジャックなのでは?という、根拠のない想念が、頭から離れないのです。
『グラン・ブルー「オリジナル・バージョン」』の情報(スタッフやキャストなど)
【監督】リュック・ベッソン
【脚本】リュック・ベッソン、ロバート・ガーランド、マリリン・ゴールディン、ジャック・マイヨール、マルク・ペリエ。
【音楽】エリック・セラ
1988年にフランスで公開された、フランスとイタリアの合作映画です。
【出演】ジャン=マルク・バール、ジャン・レノ、ロザンナ・アークエット、マルク・デュレ、ポール・シェナー、セルジオ・カステリット、ジャン・ブイーズ、グリフィン・ダンほか。
ジャックは、「あらゆる境界を取っ払った存在なんだ」と考えると、いろんなことがスーッと納得できるんです。