映画【岸辺の旅】これは再生の物語!怖がりの私にはホラー映画でもありました

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「おねえちゃんって、怖がり?」

映画の中盤、良太くんが瑞希に尋ねる場面ですが・・・。
観ている私が、ギクッとしました。

なぜならば。このセリフを聞く以前から、怖くてたまらなかったんです。

『岸辺の旅』は

2015年に作られた、日本とフランスの合作映画です。
監督は、黒沢清。
出演は、深津絵里、浅野忠信、小松政夫、柄本明、奥貫薫、首藤康之、村岡希美、蒼井優ほか。

原作は、湯本香樹実の小説『岸辺の旅』。
脚本は、宇治田隆史、黒沢清。
音楽は、大友良英、江藤直子です。

瑞希は、ピアノの先生です。
シオリちゃん家で教えるようになってから、もう2年。
レッスン後、お茶とケーキをいただくこともありますが・・・。
この日は、親御さんからのダメ出しタイムでした。

帰り道。
スーパーで買い物していた瑞希は、商品棚の白玉粉を、まるで引き付けられたかのように、手に取ってレジへ向かいます・・・。

あれは、3年前でした。

暗い部屋の中。
照明は、流し台の上くらいしか、ついていません。
白い長袖シャツに、濃紺の長袖カーデ。
瑞希の服装は、お昼間の、レッスンの時のまんまです。
エプロンは、していません。腕まくりも、してません。

ステンレスのボウルに白玉粉を入れる時の、ザラザラという音。
どうにも耳ざわりで、観ている私の心はザワザワします。
すり鉢には、黒ごまで作ったすりごま

こんなに追いつめられるみたいに、黒ゴマ白玉を作る人なんて、そう滅多に見ない・・・と、思っていましたら。

この直後。
突然、男性が現れて本当にビックリしました。

瑞希は一瞬、息ができないくらい驚いて。
それでも。
最初に出た言葉は「お帰りなさい」でした。

まだ映画の冒頭で、何も分かりませんが・・・。
苦しそうで、全く幸せそうじゃない彼女は、みていられないほど辛そうなんです。

けれども。最後まで見届けたい、という気持ちの方が大きくて・・・。

もし、あなたも怖がりでしたら、部屋を明るくしてご覧になることを、おすすめします。

今思えば、この時から、旅は始まっていたのかも知れませんね。