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主人公が飼っているカエルは、親友であり、分身でもあり、恋のキューピッドでもあるんだなあと思うんです。
天雫健太郎(あまのしずく けんたろう)とカエルの友情。
「オタマジャクシの時から飼ってて
いつの間にか成人しちゃいました」
星野源さん演じる健太郎さんの、カエルに向ける眼差しが実に印象的なんです。
言われたくないこと言われて、気持ちがどんよりブルーな日。
部屋に戻って立ち尽くしているとカエルが鳴きはじめました。
ゆっくり近づいていく健太郎さん。
水槽の前にしゃがんでも、カエルは鳴き続けています。
まるで、健太郎さんに話しかけているみたい。
上部のカバーをずらし、そぉーっと右手を差し入れて。
健太郎さんは、指で優しくカエルの頭をトントンしました。
そのタイミングで鳴きやむカエル。
なんだろう。
健太郎さんは不思議そうな表情でしたが、観ている私は慰められたような気持ちになりました。
息子の婚活に一生懸命な親。素直になれなくて意固地になる健太郎さん。
ふたりのやり取りを応援してるかのように鳴くカエル。
状況こそ人それぞれだと思いますが、どちらの言い分も「分かるなあ」と感じる場面。
父寿男さんのむちゃくちゃな提案に、目を白黒させる健太郎さん。
その様子を心配してるかのように、応援してるかのように、鳴いてるカエル。
そして。
母フミさんのアシストもあって・・・。
勝利していた寿男さんに、健太郎さんは言いました。
「お見合い・・・、するよ。あの人と会う」
その様子を、黙って見守っているようなカエルの描写にグッとくる私。
カエルの水槽は、テレビの横にあるんです。
健太郎さんが仕事に行ってる間の出来事を。
一生懸命になってる姿を。
カエルは全部みてるんだなあと思うと、ジーンとしてしまいます。
『箱入り息子の恋』は
2013年に公開された、日本映画です。
監督は、市井昌秀。
出演は、星野源、夏帆、平泉成、森山良子、大杉漣、黒木瞳、古舘寛治ほか。
脚本は、監督の市井昌秀と田村孝裕が、共同執筆しました。
音楽は、高田漣。
主題歌は、『熱の中』(高田漣 feat. 細野晴臣)です。