『アナと雪の女王』でエルサの声を担当した、イディナ・メンゼル。
劇中歌「レット・イット・ゴー」も、圧巻でしたね。
エルサとして歌ったものは、彼女の心情が伝わってくるようでした。
エルサの孤独や、追い詰められて苦しんでるような心境。
そういうものを振り切る、力強さ。
吹っ切れたけど、コントロールできない、危うい感じ。
もちろん、イディナ・メンゼルとしてパフォーマンスするときの、圧倒的な歌唱力は言うまでもありません。
それなのに。
ミュージカルなのに、彼女が演じたナンシーは歌いません。
なんて贅沢な映画なんでしょう。
『魔法にかけられて』の、あらすじ。ナンシー中心にしてみました。
現代のニューヨーク。
ナンシーは、親切にしてくれる人が誰もいない、恐ろしい場所と呼ばれる、この街で暮らしています。
容姿端麗な彼女、仕事もプライベートも順調のようですね。
見晴らしのいい場所にあるオフィスで、バリバリ仕事をこなしてます。
知り合って5年になる、彼の名はロバート。
きちんとプロポーズされてませんけど、彼の娘とも仲良しです。
まだ幼い彼女の気持ちを尊重し、彼らの家に泊まるなんて事はしません。
そんな、ある日。
ナンシーは、彼の娘・モーガンを学校まで送ることに。
朝7時半の約束で、ロバートの家に行きました。
そこで彼女は、屈辱的な目にあわされます。
どう見てもシャワーを浴びた直後の女性が、ロバートと一緒にいました。
ただならぬ様子です。
あとになって、素敵なメッセージカードが届いたけれど。
ロバートと仲直りはしたものの、次第に変化していく彼に、不安がつのるナンシーでしたが……。
今回クローズアップした登場人物は、こちら。
エイミー・アダムス演じる、ジゼルが愛くるしく魅力的なんです。
彼女に感情移入してしまうと、ナンシーの良いところを見落としがちになりますね。
いかんいかん。
ロマンチックに憧れてる、ナンシー。
ナンシー・トレメイン。
目鼻立ちのはっきりしたお顔立ち。
自分の意見を持っていて、正しく伝える努力をする。
向こう意気の荒い人に見えたんですが、ちょっと違いましたね。
ナンシーは、茶目っ気があって、理知的で、感情的な一面もある。
気が弱いところもあるし、なによりロマンチックが大好きなんです。
5年も一緒にいるロバートは、自分たちのこと理性的って言ってましたね。
ナンシーのこと、大人の女性とも評してました。
それは間違いではないんでしょう。
ナンシー自身、そうありたいと願ってるんだと思います。
でも、頭ごなしにされるのは悲しいかも。
エドワードと一緒にいるナンシー、かわいかったな。
エドワード王子のモデルは、これまでのディズニープリンス&ガストン?
ジェームズ・マースデンが演じたのは、エドワード王子。
ジゼルを助けるため、はるばるアンダレーシアから、追いかけてきてくれました。
多少コミカルではあるけれど。
終始一貫、ジゼルの安否を気遣ってましたよね。
まぁ。自分が幸せになるために、という気持ちもあったと思いますが。
痛みを感じたり、怒りを覚えたり。
新たな感情を受け入れる、度量の大きい人、
きっとエドワードは立派な王様になりますね。
諸説あるかと思いますが。
エドワードのモデルは、これまでのディズニープリンス&ガストンなんだそう。
ガストンっていうのは『美女と野獣』に登場するキャラクターです。
エドワードに、ガストンみ、あるかなぁ。
私は、ちょっとガストン苦手だったので、その発想はなかったんです。
あなたは、どう思われました?
ロバートを演じたのは、パトリック・デンプシー。
離婚歴のある、ロバート。
彼は有能な弁護士で、依頼人の利益を優先するんですが……。
どうしても私情が入っちゃってますよね。
結婚に対して、めちゃくちゃシビアでした。
ジゼルを、放っておけなかったこと。
ナンシーのこと、それほど好きではなさそうな件。
大きな意味があるのでしょうが、やっぱりひどいなぁって思います。
イディナ・メンゼルとジェームズ・マースデンの、デュエットが観たいのです。
ナンシーは、ロバートに恋してました。
ジゼルが現れてからの物語なので、あまり幸せそうに見えなかったのは残念。
引き際の潔さもナンシーらしいものでしたね。
なんとなく、覚悟してたのかな。
ひとつ、勝手に嬉しく思ったことがありまして。
ナンシーが、初めてエドワードに会ったとき。
彼が、ジゼルの話をした場面。
あのときのナンシー、すごく素敵で大好きなんです。
率直で、ロマンチックなのは、エドワードの個性ですよね。
それを理解して、彼に伝える。
簡単なようで、けっこうハードル高いのでは?
アンダレーシアでトロール狩らせたら、おそらくエドワードの右に出る者はいないはず。
彼は勇敢な王子様なんです。
ところがニューヨークでは、うまくいかない事も多くて。
さすがのエドワードも、凹んでる場面ありましたね。
靴とナンシーとエドワードのシーン。
お互いを理解してるように思えて、すごく好きなんです。
続編の噂、ぱったり途絶えてしまいましたが……。
イディナ・メンゼルとジェームズ・マースデンのデュエット、聴きたいのは私だけじゃないはずです。
あなたも、そう思いませんか?
『魔法にかけられて』のスタッフ・キャスト・製作年など。
【監督】ケヴィン・リマ
【脚本】ビル・ケリー
【衣装】モナ・メイ
【音楽】アラン・メンケン
【製作年・国】2007年、アメリカ。
【原題】『Enchanted』
【出演】エイミー・アダムス、パトリック・デンプシー、ジェームズ・マースデン、ティモシー・スポール、イディナ・メンゼル、レイチェル・コヴィー、スーザン・サランドンほか。
【ナレーション】ジュリー・アンドリュース
ナンシーとエドワードは、出会ったその日に、恋に落ちました。
これぞ、まさしく運命の恋。
ジュリー・アンドリュースのナレーション、その通りになったらいいですね。
「こうして。みんなは、いつまでも幸せに暮らしました」