映画【散り椿】しゃがんで打ち合う!瓜生新兵衛を演じる岡田准一が考案した誰も見たことがない殺陣とは?

美しい時代劇を撮りたい。
そんな思いが込められた作品の、名場面のひとつは、誰も見たことがない殺陣のシーン。

いったい、どのような殺陣なのでしょうか?

『散り椿』とは?

享保15年(1730年)。
かつて(架空の藩である)扇野藩を追われた主人公が、再び故郷に戻ってきました。

彼の真意は?
そもそも、なぜ故郷の藩を追われたの?

物語が進むにつれ、閉ざされていた過去。
そして、人の思いというものは、どれほど深く生き続けるものなのか。
次第に明かされていくのですが・・・。

悲しくも、しかし凛とした強さを持った愛が、詩情豊かな映像とともに描かれる映画でもあるのです。

主人公は、剣豪・瓜生新兵衛。

岡田准一さんが演じる瓜生新兵衛(うりゅう しんべえ)

今は浪人ですが、かつては故郷の扇野藩で、
重要なお役目を任されていました。

それゆえ、藩の不正を正そうと訴え出たのですが、時の権力に負け、藩を追放されてしまったのです。

久しぶりに故郷に戻った新兵衛は、良き友であり、良きライバルであり・・・。
かつて、愛する妻を巡り恋敵でもあった榊原釆女と対峙することに。

扇野藩側用人・榊原釆女。

西島秀俊さんが演じる、榊原釆女(さかきばら うねめ)

扇野藩の要職に就いている彼ですが・・・。

新兵衛と同じく一刀流平山道場・四天王の一人
四天王と言うからには、新兵衛と釆女の他に、あと二人おられます。

公開前でもありますので、平山道場がどれほど強くてスゴいのか、その全容は分かりませんが・・・。

緊迫感あふれる剣豪アクション!

椿の木の前で、剣を構える、新兵衛と釆女。
「間合いが独特だなあ」と思っているうちに、体勢までも独特に!

新兵衛が、腰を落としていたのですが、左ヒザを地面につけてしまうんです。

えっ?と思ってビックリしました。

室内ならば、刀剣の切っ先が柱や梁にはばまれる可能性もありますね。
それでもしゃがんだ体勢で打ち合うなんて、これまで見たことがありません。

そもそも、片ヒザをつけてしまうと、機動力が激減するんじゃないかしら・・・?

なんて思っていたら、釆女まで左ヒザを地面につけてしまうんです。

すさまじいスピードで斬り結ぶ。

これはスゴい。
一瞬でもスキを見せたら、バッサリ斬られてしまいそうです。
もしくは、激しく打突されて・・・。
どちらにしても、電光石火の早業で討ち取られてしまいそう。

もしかしたら、片ヒザついた体勢って、陸上競技のクラウチングスタートみたく、瞬発力抜群な必勝姿勢なのかしら?

そんなバカなことを考えてしまうくらい、革新的なのに、もっともだと納得してしまうような剣術でした。

すごい!
あの体勢で、あのスピードで、剣さばきできるなんて。

もちろん、命を懸けた斬り合いです。
人をあやめてしまう行いです。
それが分かっていても、ずっと観ていたくなるような剣豪アクションだと思います。

『散り椿』は

2018年に公開の、日本映画です。
監督・撮影は、木村大作。
出演は、岡田准一、西島秀俊、黒木華、池松壮亮、麻生久美子、緒形直人、新井浩文、柳楽優弥、芳根京子、駿河太郎、渡辺大、石橋蓮司、富司純子、奥田瑛二ほか。

原作は、葉室麟の小説『散り椿』。
脚本は、小泉堯史。
音楽は、加古隆です。