選択を誤るな。未来を恐れず、今を楽しめ。大事なことだ。
この言葉が登場するのは、映画の中盤です。
前後の脈絡もなく、この部分だけ切り取ってしまうのは、よくないかもしれませんね。
これは、クリストファー・プラマーが演じたヴィルヘルム2世のセリフ(の一部分)なんです。
恋に、仕事に、人生に。「巻き返しをはかる!」あなたの背中を押してくれるに違いない名言。
退位して、他国へ亡命した元皇帝は、メイドのミーカに話します。
昔、おじから思いやりのないことを言われて、心の中で罵ったこと。
おじに恥をかかせたかったけど、惜しくも間に合わなかったこと。
初恋の相手は絶世の美女だったこと。
プロポーズしたけど断られたこと。
「私の求婚を断った罰だ」と思ったよ。
こう言って笑うんですけど、年老いた元皇帝、ちっとも楽しそうには見えません。
むしろ、遠い過去を懐かしんでるようにも思える。
そんな表情を浮かべたあと、こう続けます。
「さて・・・。言いたいのは・・・、選択を誤るな。
未来を恐れず・・・、今を楽しめ。
・・・大事なことだ。」
くるくる変わる表情も、とても印象深いんです。
それほど長いシーンじゃないけど、ヴィルヘルム2世の喜怒哀楽あふれる姿に、目を奪われてしまいます。
楽しそうに笑ったり、底意地悪そうにニンマリしたり。
かと思えば。厳しくもあり、穏やかでもあり、何かを悔いてもいるようで。
人を見下してるような素振りをしつつも、あたたかみのある表情で、真っ直ぐ相手の目を見て語る。
歴史上、無能な指導者だと伝えられてる人物は、たくさんいますね。
この映画を観るまで、ドイツ最後の皇帝のこと、詳しく知りませんでした。
映画のなかのヴィルヘルム2世には、重みのある、心に残る名言が、他にもたくさんありました。
『偽りの忠誠 ナチスが愛した女』は
2016年に作られた、イギリスとアメリカの合作映画です。
【監督】デヴィッド・ルヴォー。
【出演】リリー・ジェームズ、ジェイ・コートニー、クリストファー・プラマー、ベン・ダニエルズ、エディ・マーサンほか。
【原題】THE EXCEPTION
【脚本】サイモン・バーク。
はろこ
今回は、日本語字幕を引用させていただきました。
いつの日か、字幕ナシでも理解できるよう、がんばるぞ。
「EXCEPTION」は、異端とか例外とか、でしょうか。
原題もしくは直訳の方が、しっくりくるような気もします。
そう感じた理由など、また改められましたら・・・。