【ミロクローゼ】キレッキレの山田孝之、神秘的すぎるマイコ。石橋義正監督による不可思議ラブ・ファンタジー。

11月7日は鍋の日なんだそうですね。
知らなかったな~。

2018年の11月7日は立冬だったんです。
寒がりな私。立冬というだけでブルブル寒気がしちゃいます。

鍋の日は、この日が立冬になることが多いから、また11(いい)7(な)の語呂合わせでいいなべにもなることから、食品メーカーのヤマキが2001年に制定しました。
バラエティに富んでてポカポカあったまる鍋を楽しみましょう、ということでしょうか。

私は先日『ミロクローゼ』を観たばかりなので、鍋のふたを連想してにんまりしちゃう。
初めて観たけど大好きです。
なんにも知らない状態で観るのがいちばん楽しめるんじゃないかな。

感想を書いたのですが、どうしても核心に触れてしまって・・・。
よろしければ、映画を観たあと読んでくださると嬉しいです。

『ミロクローゼ』とは?


ミロクローゼ

何が起こるか予測もつかない、なんでもありな映画です。

おとぎ話のような、お悩み相談バラエティのような、きてれつ時代劇のような。

登場人物のセリフやしぐさ、シチュエーション。いしょうも斬新で独特で。
すみからすみまで目が離せません。

ワンダーランドに迷いこんだら、こんな気分になるだろうなって思います。


熊谷ベッソン。

映画を観てる間、「えっ?」とか「はっ?」とか、言いまくる私。

ベッソン・ダンス。

圧巻だったのが、山田孝之さん演じる熊谷ベッソン(くまがい べっそん)のダンス

度肝を抜かれるって、こういうことなんだ。
なんて表現したらいいんでしょう。
まぎれもなくカッコイイんですけど、おもいっきり奇抜。
ベッソン・ダンスは、リズミカルでダイナミックで。最高にクールなんだけど、面白い。

山田孝之さん、すごく練習なさったそうです。仮に私が厳しいレッスン受けたところで、格好良く踊れないに決まってます。

もともとダンスのセンスもお持ちなんでしょうね、きっと。
ほんとに素敵でした。

青春相談室。

青春相談員の熊谷ベッソン。
彼の相談室には、恋の深刻なお悩みで困ってる青年諸君からの電話が、ジャンジャンかかってくるんです。

青年男子のお悩みに、バカだのクズだの強めの言葉を連発しながら、意外にも親身に答えるベッソン先生。

熊谷ベッソン相談所の電話番号、フリーダイヤルでしたね。
良心的だな、ベッソン先生。

多聞とタモン。

『ミロクローゼ』は、約90分の映画です。
その半分以上は、片目の浪人多聞のお話。

この作品は、山田孝之さんの一人三役も話題になりました。
でも私には、一人四役に思えます。
多聞もタモンも個性的で、まるで別人みたい

タモン。

タモンの初登場シーン、ヨーロッパみたいな街並みを歩いてましたね。
黒のスーツに白シャツで、まさしくおしゃれ上級者

恋のチャンスも逃さない。
彼が、両手に抱えきれないほどの花束を買う場面、とっても好きなんです。

おしゃれ上級者だし、恋のチャンスも逃さない伊達男なんだけど、照れくさそうにはにかむしぐさや表情が、なんとも愛おしい。

お代が二両って聞いたときのタモンも好き。

多聞。

タモンと多聞は同一人物。
彼は時空を飛び超えながら、最愛の恋人を探して放浪しています。

多聞は片目の浪人なんですけど、左目を失ってしまう件も巧みでしたね。

『ミロクローゼ』は不思議な映画なんです。

多聞のパートは、時代劇みたいだったり西部劇みたいだったり。昭和っぽいかと思えば今風っぽい

天柘楼(てんざくろう)での大立回りは、歌舞伎のような見応えでした。

オブレネリ ブレネリギャー。

見た目はこどもオブレネリ ブレネリギャー
彼の冒険のお話は、かわいらしさずば抜けてます。
私の、お気に入りのひとつは・・・。

人生が一変する前の、こんなシーン。

月曜から金曜までは、会社に出勤するんですけど。性格的な問題で、サクッと通勤できません。
週末は暇なので、家でゴロゴロしたり、机のササクレめくってツルッツルにしたり、スーパーに買い物に行ったり。
ごく平凡でのどかな週末を過ごすのです。

7才くらいの男の子、オブレネリ・ブレネリギャーを演じたのは下地幸多くん。

どうみてもこどもなんだけど、『ミロクローゼ』の世界では、大人と同等なんです。
グレーのコートに身を包んだ、たくさんの大人たちに交じって駅のホームで並んだり。

親友のベランドラ ゴヌゴンゾーラとのエピソードも、私の気持ちをガッチリつかんで離してくれません。

ベランドラ・ゴヌゴンゾーラは猫なのかな?
オブレネリが新聞を読む前、テーブルの下を超高速で走り抜けていったのは、ベランドラですよね?

このあと。
偉大なミロクローゼが登場して、思いもよらない展開になり、件の鍋ぶたに繋がります。

偉大なミロクローゼ。

マイコさんが演じた偉大なミロクローゼは、神々しいまでに美しい。

ミロクローゼというのは、石橋監督の造語なんだそうですね。
私が勝手に思うに、おそらくミロクローゼ=愛するひと、じゃないのかな。違うかな。

ヤクルトジョアとネクターの場面も、大好きです。

イショウも素敵。

石橋義正監督による映画美術も素晴らしい。

美術デザインは、江村耕市さんと舩引亜樹さん。
衣装を担当されたのは、天野恭子さんや江村耕市さん、シマダタモツさん等々。

映画は総合芸術と言いますが、ほんとにそうだなって思います。

衣装

多聞が登場するパートの、着物はどれも素敵ですし。
ベッソン先生のときの、新幹線のお姉さん。制服の青が、とても映えてました。

印象的だったのは、オブレネリ・ブレネリギャー。
オレンジの髪に、黄緑色を基調としたアーガイル柄のセーター。ショッキングピンクが目を引く格子縞のズボンに、緑色の靴下。
ああ、美的センスのない私。
魅力を全くお伝えできない自分に、心底ガッカリだ。
ほんとにポップでキュートなんです。

意匠

タモンが歩いてた町並みは、オブレネリ・ブレネリギャーが立ち寄る公園からの眺めに、よく似てました。
史上最悪の計画を決行した場所にも似てる)

オブレネリ・ブレネリギャーが通勤で利用する駅のホームから、熊谷ベッソン相談所の屋外広告(看板)が見えてましたね。

天柘楼での大立回り、どうやって撮影したんだろう。

どれも色とりどりだし、手が込んでるし。
観ている私もワクワクと心が躍ってしまいます。

鍋ぶたのグラデーションも素敵なんですけど、山田孝之さんバージョンでは体格に合わせて大きめの鍋ぶたになってませんでした?
細かいところまで楽しめる、何度も観たくなる作品なのです。

『ミロクローゼ』は

2011年の、日本映画です。
監督・脚本は、石橋義正。
出演は、山田孝之、マイコ、石橋杏奈、原田美枝子、鈴木清順、佐藤めぐみ、岩佐真悠子、椿かおり、下地幸多、奥田瑛二ほか。
ナレーションは、美波。

美術は、石橋義正。
音楽は、石橋義正、久保田修、生駒祐子、清水恒輔。
主題曲は、ONE OK ROCKの『Lost and Found』です。


はろこ

マイコさんだけじゃなく、原田美枝子さん、佐藤めぐみさん、石橋杏奈さん・・・。私にとっては、どの方もミロクローゼだなあ。
オブレネリ・ブレネリギャーのお話は、声に出して読みたくなるシナリオでした。ナレーションの美波さん、大変だっただろうな。