【アイム・ノット・ゼア】ヒース・レジャーをはじめ豪華なキャストが演じる、あのアーティストとは?

不思議な映画です。
ヒース・レジャークリスチャン・ベイルの共演作ということで、がぜん興味を持った私。

正直、何度か面食らってしまいました。
それでも、途中でやめられない。

まるで、バラバラになったピースをつなぎ合わせるような。
膨大な楽曲を、次から次へと聴くようでもあり。
いろんな年代の、さまざまな映像をザッピングするみたいな。

不思議な映画でした。


アイム・ノット・ゼア(字幕版)

ドキュメンタリーではありません。あらすじをザックリご紹介。

『アイム・ノット・ゼア』はフィクションですね。

ボブ・ディランの音楽と、彼の多様な人生に触発された、監督のトッド・ヘインズ。
監督自ら、脚本を手掛けています。
現実に起きたことも織り込みながら、架空の登場人物たちの人生を映画にしました。

主人公は6人いる、と思っていいのかな。
常に注目されてる人や、素性の知れない人。
それぞれの人生を垣間見る形で、物語は進みます。

彼らの物語が複雑に絡み合う、集中力を試されてるような構成だなぁって思いました。

たとえば、ロビー・クラークの物語。

俳優のロビーは、新作ホラー映画の撮影中。
4ヵ月に及ぶ海外ロケは、まもなく終わる予定です。

留守宅には、妻のクレアと、娘が二人。
彼女たち、パパが計画したバカンスについて話してるけど、あまり楽しそうには見えませんね。
どうやらママは行かないみたいですし。

クレアは、夫が滞在してるホテルに電話をかけますが、ロビーと連絡が取れません。

そのころ彼は、口笛吹きつつ、バスルームから出てきたとこでした。
鏡の前には、若くてキレイな女性が座ってます。
彼女は共演者のルイーズ。
ロンドン出身の新人女優なんですって。

映画の撮影も無事終了。
ロビーは自宅に電話をかけますが、妻は電話に出られませんでした。

広いリビングには、誰もいません。
つけっぱなしのテレビは、ロビー・クラークの近況を伝えています。
リビングの前を通りかかったクレアは、夫が熱愛中だと噂されてる画面を見つめ、何とも言えない表情に。

そのチャンネルでは、数時間前、大統領が声明を発表していたのです。

「今日、我々は戦争を終結し、ベトナムに平和をもたらすと同意しました」
「パリ時間で、1973年1月23日12時30分……」

数時間前、クレアは家事の合間に、たまたまニュースを目にしました。
そして、そのまま立ち尽くしてしまう。
急に息苦しくなったんです。

悲惨な戦争の映像を映し出す、テレビ画面。
彼女の脳裏をよぎる、出会った頃の幸せそうなロビーとクレア

テレビ史上、最長の9年戦争。
それは、彼と彼女の9年の結婚生活を覆った戦争でもありました。

そして、ロビーが海外から戻ってくるのですが……。

『アイム・ノット・ゼア』のヒース・レジャー

彼が演じたのは、俳優のロビー・クラーク
ロビーの半生と言いますか。
22歳から31歳くらいまで、かな。
ラストのモーターサイクル
すごく意味深ですね。

ヒース・レジャーは、1979年4月生まれ。
映画が全米公開された2007年当時、28歳だったのかな。
残念ながら、2008年1月、お亡くなりになりました。

ロビー・クラークは有名人

俳優のロビーは、注目の的でしたね。
新作映画に出演すれば、マスコミは取り上げますし。
飛行機に乗ったら、CAさんからモテモテ。
プライベートで食事に行けば、パパラッチに出くわします。

ロビーが一躍人気俳優となったのは、10年近く前に出演した、ある映画がきっかけでした。

架空の「’65年の映画『砂の粒』」

60年代に一世を風靡。
NYタイムズ紙が「良心の吟遊詩人」と称えた歌手。
新時代の希望の星。
彼の名は、ジャック・ロリンズ

「良心と闘った苦悩する歌手」を描いた、’65年の映画『砂の粒』。

ジャック・ロリンズを演じたのが、ロビーです。

ロビーは代弁者になりたかったのかな?

『アイム・ノット・ゼア』で、ジャック・ロリンズは何度もパフォーマンスします。
ロビー・クラークは歌いませんでしたね。

ロビーがセリフを言ってる場面は、何度かありました。
プライベートで、親しい人々とおしゃべりするシーンも描かれてます。

私が面白いなぁと思ったのは、ロビーが言葉に詰まるところ。
素の彼は「自分の頭で考え、口で話す」ことが、苦手なんじゃないかしら。
もしかしたら、主張を持たない人なのかも。

彼の職業は、セリフを自在にあやつる俳優。
なにか特別な意味があるように思えました。

クリスチャン・ベールとヒース・レジャーの、役柄上の関係は?

ふたりの共演作と言えば『ダークナイト』。
いろんな意味で、強烈な印象となって心に焼きついています。

『アイム・ノット・ゼア』で、クリスチャン・ベイルが演じたのは、ジャック・ロリンズ。
ということは。

クリスチャン・ベイルが演じる

ジャック・ロリンズを演じる

ロビー・クラークを演じる

ヒース・レジャーが観られる映画。

ジャックもロビーも、ボブ・ディランをモデルに生み出されたキャラクターです。

しみじみするような、興味深いような。
そんな作品でもありますね。

『アイム・ノット・ゼア』は、2007年に作られた、アメリカ映画です。

【監督】トッド・ヘインズ
【出演】クリスチャン・ベイル、ケイト・ブランシェット、マーカス・カール・フランクリン、リチャード・ギア、ヒース・レジャー、ベン・ウィショー、シャルロット・ゲンズブール、ブルース・グリーンウッド、ジュリアン・ムーア、ミシェル・ウィリアムズほか。

この映画は、PG-12に区分されました。

はろこ

シャルロット・ゲンズブールも、とっても魅力的でした。
彼女の役は、ヒース・レジャーが演じた、ロビーの奥さまであり、すぐれた画家であり、ふたりの娘を育てるお母さん。
気持ちを抑えることも多いけど、言うべき時はキッチリ言う。
彼女のイメージとも、クレアという人物とも、リンクしてるような気がします。
好きだなぁ。
蛇足ながら、ネタバレをひとつ。
ロビーとジャックが会話するシーンは、ありませんでしたね。
観たかったなぁ。