映画【アイアムアヒーロー】時計を外す大泉洋がカッコいい!コンプレックスをかなぐり捨てる英雄にもその背中を押したものとの関係性にも胸が熱くなる

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納得の、R15+映画です。
思った以上にスプラッター
血なまぐさいの苦手なあなた、ご注意くださいませ。

ゾンビがわんさか出てくる、ホラームービーでもありますし。
ヒューマンドラマとしても、見応えのある作品。

大泉洋さん、有村架純さん、長澤まさみさん、片桐仁さん、等々……。
キャストの鬼気迫る雰囲気にも、圧倒されてしまいました。

『アイアムアヒーロー』の、あらすじをザックリご紹介。

鈴木英雄(すずき ひでお)は、35歳。
漫画家のアシスタントをしています。

彼が、新人コミック賞で佳作を受賞してから、もう15年。
編集者には適当に扱われ、恋人とは破局寸前。仕事場ではイジられる。
今ひとつ結果が出ないことにウンザリしつつも、なんとか日々をやり過ごしていました。

彼女から「現実を見て」と言われた矢先、世界は一変。
新型の感染症により、世の中は一大パニックになり……。

印象に残る登場人物。魅力あふれる方々が、これでもかと言わんばかりに、ご登場。

豪華なキャストが揃っている、この作品。
怖がりな私が観たいと思った理由のひとつです。
今回クローズアップした大泉洋さん、片桐仁さん以外にも、大勢いらっしゃるので、別の機会にジックリと。

比呂美に扮する、有村架純さん。

うだつのあがらない人、鈴木英雄を演じる大泉洋さん。
彼と一緒に避難することになった高校生、比呂美を演じたのが有村架純さん。

おびえて逃げ惑うところ。
明るく前向きなところ。
そして。
笑顔が消えて、話さなくなり、ほとんど眠っている状態に。

どの比呂美ちゃんも、存在感があって、忘れがたいのです。

藪を演じた、長澤まさみさん。

避難先で出会う、藪(ヤブ)と呼ばれる女性を演じた長澤まさみさん。

笑顔を抑えた、頼れる姉御なイメージでしたね。
モールで出会った人々も、心に深手を負っています。
藪の告白も、強く記憶に残りました。

比呂美ちゃんも、藪さんも。
英雄くんの背中を押した、かけがえのない存在なんだと思います。

片桐仁さん演じる、中田コロリ。その後の彼を、スクリーンで観たくなる。

はじめにクローズアップしたいのは、コロリ先生です。
登場シーンはごくわずかにもかかわらず、インパクトがありました。

いいひとなのか、そうじゃないのか、はっきりしない。
気持ちを露骨に表現してるようなのに、心理が読めないんです。

片桐仁さんの、人が好さそうなところや、どこか謎めいてるところが、コロリ先生にピッタリ合ってましたね。

鈴木英雄と中田コロリの関係性。タッグを組めたら無敵だったのかもしれません。

英雄くんが、雑誌掲載してもらおうと、編集部を訪ねたときのこと。

そこでバッタリ再会したのが、中田コロリでした。
彼の漫画『はるよこい』は、大人気連載中。
最新号では、巻頭カラーを飾っています。
おそらく表紙もコロリ先生なんでしょうね。

英雄くんに、ぶっきらぼうな態度をとってた編集者。
コロリ先生には、とっても丁寧。ほんとに売れっ子漫画家なんだろうなぁ。
編集者の態度、あからさま過ぎて、泣きたくなるほどリアルでした。

コロリ先生が、時間を気にして腕時計を見るシーン。お見逃しなく!

コロリ先生に駆け寄る編集者。間髪をいれず褒めちぎります。
「先生、時計カッコいい~!」
「やっぱ、ロレックスいいなぁ~!」

英雄くんのことはほったらかし
名前はうろ覚えだったし、持ち込んだ作品だって取るに足りないもの扱いです。
世の中キビシイなぁ。
まぁ、確かに。出版社だって編集者だって、生き抜いていかなきゃいけませんものね。

英雄くんとコロリ先生は、新人コミック賞の同期。

英雄くんは佳作でした。
コロリ先生が受賞したのは何だったのか、映画の中では明かされません。

だからかな。
その晩、ベンチで『はるよこい』読む英雄くん。とても印象的でした。
(話が逸れるので、いい場面なんですけど、改めて語らせて下さいね。)

本領発揮する大泉洋さん。鈴木英雄は愛すべきヒーローになる。

思い通りにいかない日々に、疲れきっている主人公。
彼の心境がなんとなく分かるので、見ていてつらい。
私にとって鈴木英雄は、すこし苦手な人でした。

ところが、右往左往しながら、最善の道を探し求める姿勢に、思いを新たにするというか。
勝手に分かったつもりになってただけなんだな、って反省しました。

人間味あふれるキャラクターを演じる大泉洋さん、やっぱり好きだなぁ。

モールで、ロレックスを見る英雄くん。編集部での光景がよみがえる、いいシーンです。

とりあえず、セーフティゾーンに到達できたからなのか。

身の回り品でも食料でもなく。
ロレックスに視線が釘付けになってませんか、英雄くん?

しかも。資材庫を任されてるアベさんの、袖口からチラッと見えただけでしたよね?

大泉洋さんの、「えっ?」て言うセリフも、表情も絶妙で。

かなり生々しい、血みどろの場面が続いた後なのに。ホッとしたのも、あるけれど。
クスッと笑ってしまいました。

噛まれた!と思ったら……。悪夢にうなされそうなシーンも緩急自在で翻弄されます。

アウトレットモールでも、流血に次ぐ流血で、目をそむけたくなる場面が多いんです。

これ、最後まで観られないかも。
何度も、そう思いました。

そんな時、ここぞというタイミングで、英雄くんを守るロレックス。

映画を観てる私、いろんな感情がわいてしまって、心の中は大渋滞でした。
よかった~って思ったり。
不謹慎にも笑っちゃったり。
グルグル考え込んでしまったり。

英雄くんにとってロレックスは、コンプレックスの象徴のように見えるんです。

間一髪、難を逃れてバンバンザイではあるけれど。
私だったら、自分がコンプレックスを感じてるものに助けられて、素直に喜べるかな?
ますます落ち込んだり、いじけたりしそうだなぁ。

守り抜くために立ち上がり、かなぐり捨てる姿がカッコいい。

疲れきって、いったん座り込んでしまう英雄くん
比呂美ちゃんは動けないし、藪さんも限界です。

彼女たちを見たあと、息も絶え絶えの様子で立ち上がる英雄くん。
左の袖をまくって、身につけてる時計をバラバラ外します。
音を立てて散らばり落ちる、高級腕時計。
噛まれたときに破損したんだろうなって思えるモノもありますね。

元からつけてた黒い時計も、ピカピカのロレックスも、全部はずした英雄くん。
グルグルと腕を回して立ち向かう姿が、最高にカッコいいんです。

「世界がひっくり返っても変わらない……何にもなれない」鈴木英雄は、もういません。

腕時計を外す大泉洋さんに惚れ直しました。

『アイアムアヒーロー』は、2016年に公開された、日本映画です。

【監督】佐藤信介
【脚本】野木亜紀子
【出演】大泉洋、有村架純、長澤まさみ、吉沢悠、岡田義徳、徳井優、片瀬那奈、片桐仁、塚地武雅ほか。

有村架純さん演じる比呂美ちゃん。
英雄くんの名前を聞く前は、おじさんって呼びましたよね。
確かに、鈴木英雄はカッコよく見えないんです。
さえないおじさんなんですけど、守るべきものを守る姿は、ほんとにカッコよかったなぁ。